ビュー ==== ビューは主にユーザインタフェースの要素によって構成される PHP スクリプトです。 ビューには PHP 文を含める事ができますが、その PHP 文でデータモデルを変更すべきではなく、また、比較的シンプルなものに留めておくことを推奨します。 ロジック部とプレゼンテーション部の分離の精神に基づいて、ロジックの大部分はビューではなく、コントローラかモデルに置くべきです。 ビューは、描画の際にビュースクリプトファイルを識別するために使われる名前を持ちます。 ビューの名前はビュースクリプトファイル名と同じです。 たとえば、ビュー `edit` は `edit.php` という名前のビュースクリプトファイルを参照します。 ビューを描画するためには、ビュー名を引数にして [CController::render()] をコールします。 このメソッドは `protected/views/ControllerID` ディレクトリ下にある、対応するビューファイルを探します。 ビュースクリプト中では、`$this` を使用してコントローラインスタンスへのアクセスが可能です。 従って、ビューの中では `$this->propertyName` という形でコントローラのプロパティを参照できます。 さらに、データをビューに渡すために、次の方法を使用することができます: ~~~ [php] $this->render('edit', array( 'var1'=>$value1, 'var2'=>$value2, )); ~~~ 上記では、[render()|CController::render] メソッドは 2 番目の配列のパラメータを変数へ展開します。 その結果、ビュースクリプト内では、ローカル変数 `$var1` と `$var2` としてアクセスできます。 レイアウト ------ レイアウトは、ビューを装飾するために使用される特別なビューで、通常、いくつかのビューに共通しているユーザインタフェースの部分を含みます。 たとえば、以下のように、レイアウトはヘッダーとフッターを含み、その間にビューを埋め込むことが出来ます。 ~~~ [php] ...... ここにヘッダ ...... ...... ここにフッタ ...... ~~~ ここで、`$content` がビューのレンダリング結果を格納するものです。 レイアウトは [render()|CController::render] をコールするとき、暗黙に適用されます。 デフォルトでは、ビュースクリプト `protected/views/layouts/main.php` がレイアウトとして使用されます。 これは、 [CWebApplication::layout] か [CController::layout] のいずれかを変更することで、カスタマイズ可能です。 レイアウトを適用せずにビューの描画を行うには、代わりに [renderPartial()|CController::renderPartial] をコールします。 ウィジェット ------ ウィジェットは、[CWidget] か [CWidget] の子クラスのインスタンスです。 これは、主に表示的な用途を持つコンポーネントです。 ウィジェットは、通常、複雑ではあっても自己完結したユーザインタフェースを生成するためにビュースクリプトに埋め込まれます。 たとえば、カレンダーウィジェットは複雑なカレンダーユーザインタフェースを表示させるために使用出来ます。 ウィジェットは、ユーザインタフェースコードの再利用性を高めてくれます。 ウィジェットを使うには、ビュースクリプト内で以下のようにします: ~~~ [php] beginWidget('path.to.WidgetClass'); ?> ...ウィジェットによりキャプチャされる本文 (body content)... endWidget(); ?> ~~~ または ~~~ [php] widget('path.to.WidgetClass'); ?> ~~~ 後の方法は、ウィジェットが本文 (body content) を必要としないときに用いられます。 ウィジェットを構成して挙動をカスタマイズするためには、[CBaseController::beginWidget] もしくは [CBaseController::widget] を呼び出す際に、プロパティの初期値を設定します。 たとえば、[CMaskedTextField] ウィジェットを使用する際に、使用されるマスクを指定したい場合は、下記のように、プロパティの初期値を配列として渡します。 ここで、配列のキーはプロパティ名、配列の値は対応するウィジェットプロパティの初期値です。 ~~~ [php] widget('CMaskedTextField',array( 'mask'=>'99/99/9999' )); ?> ~~~ 新しいウィジェットを定義するには、[CWidget] を継承し、[init()|CWidget::init] と [run()|CWidget::run] メソッドを上書きします: ~~~ [php] class MyWidget extends CWidget { public function init() { // CController::beginWidget() によってこのメソッドが呼ばれる } public function run() { // CController::endWidget() によってこのメソッドが呼ばれる } } ~~~ コントローラのように、ウィジェットはそれ自身のビューを持つことができます。 デフォルトでは、ウィジェットのビューファイルは、そのビューファイルのあるディレクトリの `views` サブディレクトリに位置します。 コントローラと同じように、ビューは [CWidget::render()] を呼び出すことで描画させることができます。 唯一の違いは、ウィジェットビューにはレイアウトを適用できないことです。 さらにビュー中の `$this` はコントローラインスタンスを参照するのではなく、このウィジェットインスタンスを参照します。 > Tip|ヒント: [CWidgetFactory::widgets] を使ってサイト全体のレベルでウィジェットを初期構成すると、基本になる設定を非常に楽に構成することができます。 > 詳細については [テーマ](/doc/guide/topics.theming#sec-5) のページを参照して下さい。 システムビュー ----------- システムビューは、Yii によってエラーやロギング情報を表示するために使用されるビューです。 たとえば、存在しないコントローラやアクションがユーザによりリクエストされた場合、 Yii はそのエラーを説明する例外を投げ、特定のシステムビューを使用して、その例外を表示します。 システムビュー名は、いくつかのルールに基づきます。 `errorXXX` のような名前は、エラーコード `XXX` の [CHttpException] エラー表示のためのビューを指します。 たとえば、もし [CHttpException] がエラーコード404により発生した場合、`error404` ビューが表示されます。 Yii は `framework/views` 以下に、1セットのデフォルトシステムビューを提供します。 システムビューをカスタマイズしたい場合、`protected/views/system` 以下に、同じファイル名のビューファイルを作成してください。